お城の堀の意味とは?水堀と空堀の違いと歴史を詳しく紹介!

大坂城堀
悩む庶民

お城の堀ってどんな意味があるんだろう?

日本のお城を訪れると、まず目に入るのが城を取り囲む「堀」

この堀はお城にとって単なる景観の一部ではなく、戦国時代の城主たちが城を守るために工夫した重要な防御機能を持っています。

城にまつわる歴史や構造について知ることで、お城巡りがより興味深くなることでしょう。

本記事では、堀の基本的な役割から「水堀」と「空堀」の違い、その歴史的な変遷と現代での楽しみ方までを、初心者向けに詳しく解説します。


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お城の堀って何のためにあるの?

大坂城堀
大坂城堀

堀はお城の周りを囲む防御施設であり、敵の侵入を防ぐための第一の防御ラインとして機能していました!

堀の役割は単純に「水を溜める」「深く掘る」だけでなく、攻撃者にとって城への侵入を難しくするための巧妙な仕組みが組み込まれていました。

堀の主な役割

  1. 防御機能:堀によって城内への直接の侵入を防ぎ、敵が城の壁や門に簡単に近づけないようにします。特に、水がある水堀は泳ぐか船で渡るしかないため、大きな障害となります。
  2. 敵の足止め:敵が堀を越えようとする際に準備や時間を必要とするため、その間に城内から攻撃を仕掛けることができます。例えば、堀を渡る間に弓矢や鉄砲で攻撃をすることが可能でした。
  3. 視界の確保:堀があることで城内から広範囲を見渡すことができ、敵の接近をいち早く察知することができます。これにより、防御体制を整える時間が確保できました。

堀は単に城を囲むだけでなく、城主や城兵にとっては防御の要であり、攻める者にとっては越えるべき大きな障害として機能していたのです。


水堀と空堀の違いとは?

大坂城空堀

お城の堀には「水堀(みずぼり)」と「空堀(からぼり)」の2種類があります。堀に水を入れるかどうかでその防御効果や使用方法が異なり、各城の立地条件や戦略に合わせて使い分けられていました。

水堀(みずぼり)とは?

水堀とは、その名の通り水が張られた堀です。水堀は敵が城に近づくために泳ぐか、船を使うしかないため、大きな防御効果を持ちます。特に平城のように、平地にあるお城では水堀が重要視されました。

  • 特徴:堀が水で満たされ、敵の渡りにくさを高めています。水があるため、泳いで渡る際に体力が消耗され、攻撃準備が整わないことが多いです。
  • 利点:水は冷たいため、冬場や夜間に水堀を渡るのは非常に困難でした。また、万が一堀に入っても、泳いでいる間に城内から弓矢や鉄砲で攻撃される危険が高まります。
  • 代表的な城:大阪城や江戸城、姫路城など、川や湖に近い場所に建てられたお城で多く見られます。

空堀(からぼり)とは?

空堀は、掘られた堀に水がないものを指します。空堀は深く掘られ、さらに側面が急勾配に整えられており、敵が一度堀に入ると、登るのに苦労するような設計になっています。山城や水の供給が難しい地域で使われることが多かったです。

  • 特徴:深い溝でありながら水を含まないため、比較的作りやすく、メンテナンスも少なく済むという利点があります。
  • 利点:水の供給が必要ないため、山間部や小規模な城でも利用でき、地形を生かした堀として効果的に機能しました。
  • 代表的な城:大阪城、名古屋城など、石垣が高いお城

堀の歴史とその進化

松本城天守
松本城天守

堀の歴史は古く、時代とともにその形式や役割が変わってきました。堀の進化を知ることで、お城巡りがより一層楽しめます。

戦国時代:防御機能を高めた堀の登場

戦国時代は城郭が強化される時代であり、堀も本格的に作られるようになりました。

この時代のお城は山の中に建てられる「山城」が多く、自然の地形を利用して敵の侵入を防ぐため、急勾配の空堀が使われました

空堀は、地形を活かして高い防御効果を発揮し、敵が簡単に城へ近づけないようにしました。山城は少ない兵力でも守りやすい特長があり、空堀はその利点を活かす構造として重宝されました。

安土桃山時代から江戸時代:平地に広がる水堀

戦国時代の終わりから平地に城が建てられる「平城」の時代が訪れると、堀もより大規模かつ整備されるようになります。

豊臣秀吉が築いた大阪城や、徳川家康が築いた江戸城などは、川や湖を利用した広大な水堀を採用し、平地での防御力を高めました。水堀は単に防御だけでなく、城の景観や権威を象徴するものとしての役割も担いました。


現代に残る堀の楽しみ方とおすすめスポット

大坂城堀

現代のお城巡りでは、堀の役割や構造に注目することで、また違った視点からお城の歴史を楽しめます。水堀のある城では堀越しに見える天守の姿を堪能し、空堀のある城ではその深さや幅を観察しながら、当時の人々がいかにして敵からの防御を考えていたかを感じることができます。

水堀が美しいお城

  1. 大阪城:豊臣秀吉が築いた大阪城は、広大な水堀と石垣が特徴で、外堀だけでなく内堀も非常に広いため、城内への侵入が困難です。桜の季節には堀の水面に花びらが浮かび、絶景が広がります。
  2. 姫路城:世界遺産でもある姫路城は、美しい水堀と白い城壁のコントラストが印象的です。堀越しに見える天守の姿は圧巻で、城の美しさと防御力を同時に楽しめます

大きいお城では、遊覧船に乗れることも

大阪城や姫路城では遊覧船が運営されており、水堀の中を船でめぐることができます。

かなりの規模ゆえにできることですね。訪れた際にはぜひ乗ってみて、眺望を楽しみつつ攻める兵の気持ちになって、堀の防御の高さを実感してください!

お城巡りをさらに楽しむポイント

お城を訪れる際、堀の形状や大きさに注目することで、城郭が持つ歴史的な背景を知るきっかけになります!

例えば、同じ空堀でも、山城にあるものと平城にあるものでは目的や構造が異なることもあります。

また、季節ごとの景色も楽しみのひとつです。春には桜、秋には紅葉、冬には雪景色が堀に映り込み、お城と堀が織りなす日本独特の風情を感じられます。


まとめ:お城巡りで堀の役割を知ることで見える新たな魅力

堀は単なる景観ではなく、お城にとって防御の要であり、歴史的な背景を持つ重要な構造物です!

水堀と空堀の違いや、堀が時代ごとにどのように発展したかを知ることで、城の構造や地形に対する当時の工夫が見えてきます。

次回お城を訪れる際は、堀の深さや広がり、そして水面に映る天守閣の姿をじっくり観察しながら、歴史に思いを馳せてみてください。お城巡りがさらに楽しくなることでしょう

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