姫路城は白、松本城は黒。その色の正体は?

姫路城は白、松本城は黒。その色の正体は?。古い紙に淡い水彩で描いた説明用イメージ。

姫路城が白く、松本城が黒く見える大きな理由は、外壁の仕上げの違いです。姫路城では白漆喰が建物を広く覆い、松本城の天守では壁の下部に黒漆塗りの板が使われています。

悩む庶民

松本城にも白いところがある! 黒一色のお城じゃないんだね?

白い壁と黒い板の組み合わせに注目してみよう。黒い部分にも、建物を守る役割があるんだ。

白と黒って、好みで塗り分けただけじゃないんだ! 材料の違いに加えて、雨や火から建物を守る工夫も隠れています。しかも姫路城は、屋根の継ぎ目まで白い。二つの城を、少し近くから見てみましょう。

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白は漆喰、黒は漆を塗った板

姫路城の白は、白漆喰(しろしっくい)という壁の仕上げです。白い石を積んだ建物ではなく、木造の建物の外側に土壁や漆喰を施しています。

一方、松本城の天守の外壁は、上部が白漆喰、下部が黒漆を塗った下見板(したみいた)。下見板は、壁の外側に張られた板です。

姫路城の白漆喰と、松本城の上部の白漆喰・下部の黒漆塗りの板を比較した模式図。
白漆喰と黒漆塗りの板を比較した模式図。壁の構成や寸法を正確に復元したものではありません。城なび制作(AI生成)。

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黒い城の中にも、ちゃんと白漆喰があるんですね。写真では、白い壁と黒い板が切り替わる境目を探してみてください。色の印象が、材料の違いとして見えてきます。

出典:松本城「国宝松本城の価値」鹿島「姫路城大天守保存修理」

松本城の黒い板には、雨から壁を守る役割がある

屋根の軒が張り出していれば、壁に雨が当たりにくくなります。それでも、軒だけでは防ぎきれない雨があります。

松本城の公式解説では、下見板について、雨から壁を保護するための板と説明しています。黒い部分は、見た目を変えるだけの飾りではないのです。

軒で防ぎきれない雨に対して、松本城の黒漆塗りの下見板が壁を保護する役割を示す模式図。
松本城の下見板が雨から壁を守る役割を示した模式図。水の動きは説明用です。城なび制作(AI生成)。

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悩む庶民

黒くてかっこいいだけじゃなく、雨よけにもなっているの?

城を守るなら、敵だけでなく雨にも備えたいのう。軒から吹き込む雨に、壁を傷められては困るのじゃ。

板を張る理由は雨から壁を守るため。黒く見える理由は、その板に黒漆が塗られているため。この二つを分けると分かりやすいね。

出典:松本城「大天守」一階・天守壁と下見板

姫路城の白さには、防火の工夫もある

姫路城の外観は、白漆喰総塗籠(しろしっくいそうぬりごめ)と呼ばれます。難しそうな名前ですが、外側を白漆喰で広く覆った姿を思い浮かべれば大丈夫です。

白漆喰には、防火や防水の役割があります。あの白さは、木の建物を外から守る仕上げでもあるんだ! 美しい外観と建物の保護が、一つにつながります。

ただし、内部には木の柱や床があります。姫路市の保存活用計画でも、内部で火災が起きた場合の危険性が示されています。外側の防火の工夫に加え、火を出さない備えも欠かせません。

出典:兵庫県公式観光サイト「白と赤のジャパンカラーを巡る旅」姫路城の節姫路市「姫路城保存活用計画」第7章・防災

姫路城は、屋根の継ぎ目まで白い

もう一度、姫路城を思い浮かべてみてください。白く見えるのは、壁だけでしょうか。

実は、屋根にも白い部分があります。瓦と瓦の継ぎ目に施された目地漆喰(めじしっくい)です。

姫路城の屋根は、平瓦(ひらがわら)と丸瓦(まるがわら)を組み合わせた本瓦葺き。丸瓦の継ぎ目に塗られた白漆喰が、灰色の瓦の間に白い線をつくります。

姫路城の灰色の瓦と、継ぎ目の白い目地漆喰に注目した模式図。
姫路城の屋根の白い目地に注目するための模式図。瓦の配置や漆喰の範囲を施工図として示すものではありません。城なび制作(AI生成)。

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兵庫県立歴史博物館の解説も、この目地の漆喰が建物の白さを引き立てていると紹介しています。壁だけでなく、屋根の白い線まで効いているんだ! 姫路城の写真を見直したくなるポイントです。

出典:鹿島「姫路城大天守保存修理」屋根瓦兵庫県立歴史博物館「姫路城」

「誰の城か」より先に、壁をよく見てみよう

「黒は豊臣、白は徳川」といった説明を見かけても、色だけで城主や築城年代まで決めるのは避けたいところです。少なくとも、ここで確認した材料の説明だけから、色を選んだ人の政治的な意図までは分かりません。

次に写真を見るときや現地へ行くときは、松本城の白と黒の境目、姫路城の屋根の白い継ぎ目を探してみてください。「白い城」「黒い城」という印象が、材料やつくりを見つける楽しみに変わります。

現地で天守を見学する際の時間配分は、それぞれのガイドにまとめています。

本文・出典の確認日:2026年9月7日。図版は仕組みを説明するためのAI生成の模式図で、実測図や修復の手引きではありません。

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