日本のお城(天守)で一番高いのはどれだろう?
天守とは?
そもそもお城とは一番目立つ高い建築物のことを指していることが多いと思いますが
実は正式には天守と呼びます。なので、本記事内では天守と記載していこうと思います。
その事実を初めて知って天守に詳しくなりたい方は以下の記事もどうぞ!
お城の高さTOP10!
早速結論ですが、1位は大阪城に輝きました!
順位 | お城名 | 高さ |
---|---|---|
1 | 大阪城 | 41.5m |
2 | 名古屋城 | 36.1m |
3 | 島原城 | 33.0m |
4 | 熊本城 | 32.5m |
5 | 姫路城 | 31.5m |
6 | 小倉城 | 28.7m |
7 | 小田原城 | 27.2m |
8 | 広島城 | 26.6m |
9 | 福山城 | 26.3m |
10 | 和歌山城 | 25.1m |
せっかくなので、3位まで少しだけ紹介します!
1位 41.5m 大阪城
実はこの天守は3代目であり、昭和に復興した天守になります。
初代は豊臣秀吉が築いた豊臣大坂城(約30m 総高40m)、2代目は徳川秀忠が修築した徳川大坂城(約44m 総高58m)です。
こうみると現在の天守より徳川大坂城の方が少し高かったようです。江戸時代に今より高いものを木造で作っていたと考えると驚きです。
2位 36.1m 名古屋城
第二次世界大戦(1945年)で焼失するまで現存していたため、当時の再現度が高い天守です。
徳川大坂城や江戸城の方が高かったですが、どちらも江戸時代前半には焼失しており大阪城が復興するまではずっと名古屋城が高さでは1位でした。
総面積が最大規模を誇っており、大きさという面で見ると名古屋城が一番大きいともいえますね。
3位 33.0m 島原城
開けた場所にあるのでとても存在感のある天守です!
破風がなく、層塔型と呼ばれる単調な作りであることから他お城と比べるとカッコよさについて見劣りするかもしれません。
けれども姫路城を凌ぐほどの高さがあります。
なぜ日本のお城はこんなに高いのか?
防衛目的としての高さ
お城を高く建てる最も基本的な理由は「防衛」です。お城が高い場所にあることで、敵の動きを早く察知でき、さらに攻撃を防ぐための優位性を確保できます。特に日本では、山や丘陵地帯に建てられた「山城」が多く見られ、標高を利用して自然の防壁を形成しました。敵が攻めにくく、防衛に適していたのです!
例: 比叡山に建てられた「安土城」はその好例で、標高の高い場所に築城することで敵の侵入を防ぎ、織田信長の統治の拠点となりました。
権威の象徴としての高さ
お城の高さは、武将や領主の権威の象徴でもありました。城の天守が高いほど、その領主の力や権力の象徴として機能しました。特に江戸時代には、城郭の壮大さが平和時のステータスシンボルとしての役割を果たしていました。
例: 江戸城や姫路城は、単なる防衛施設を超えて、徳川家の威光を示す存在でした。特に天守の高さが地域支配を象徴し、民衆や他の大名に対して権威を示しました。
火縄銃や大砲などの兵器の進化
戦国時代に入ると、火縄銃や大砲などの遠距離武器の導入により、お城の防御戦術が変化しました。これに対応するため、お城はより高く築かれ、敵の砲撃を回避するための堅牢な構造が求められました。高さがある天守からは、より広範囲を見渡せるため、これらの新しい兵器に対しても対応可能でした。
天守の高さの防衛面での利点
天守はお城のシンボルであると同時に、実際の防衛拠点としても重要な役割を果たしました。敵が城内に侵入してきた際、最後の防御線として天守に籠城し、そこから弓や火縄銃を使って迎撃できるように設計されています。高い天守にいることで、より有利な位置から攻撃を加えることができました。
お城の高さは防衛のため?
天守の多層構造による防衛の工夫
日本のお城の天守は、複数の階層からなる多層構造が一般的です。これは単に美しいデザインのためではなく、防御を強化するための工夫でもありました。敵が城内に侵入したとしても、上に上がるにつれてさらに強固な守りが待ち受ける構造です。例えば、下層は比較的広い構造で、多数の兵士が集まりやすく、上層に向かうほど狭くなることで、防御側に有利な戦いを展開できます!
例: 姫路城の天守閣は、この多層構造を持ち、敵が上層へ向かうほど、防御側が有利になるよう設計されています。
石垣の高さと技術
日本のお城は、多くの場合「石垣」が高く築かれており、これは外敵からの攻撃を防ぐための重要な防御手段でした。特に、日本の石垣は「曲輪(くるわ)」と呼ばれる城の各層ごとに配置された石垣によって、立体的な防衛を可能にしていました。これにより、敵が登りにくい角度を持つ石垣が生まれ、敵の攻撃を食い止める効果を発揮しました。
例: 大阪城の石垣は高さが非常に高く、特に水堀と連携することで、外敵からの攻撃を防ぐ強固な守りを実現しました。
水堀や空堀との連携
城の高さを生かした防御システムの一つに、堀との連携があります。お城の周りに水堀や空堀を設けることで、敵が城に近づくことを難しくし、さらに高い天守や城壁から敵を見下ろすことで、攻撃側に不利な状況を強いることができました。城の高さと堀の深さが一体となることで、より防御力を強化する工夫がなされています。
例: 松本城や駿府城では、深い堀を設けて敵の進入を阻止しつつ、上から攻撃できるように設計されています。
「曲輪(くるわ)」を利用した複層的な守り 城郭の構造には、外郭から内郭に向かって複数の「曲輪(くるわ)」が設けられており、これが層を成して敵の侵入を阻止する仕組みがありました。曲輪ごとに高さが異なることで、城に侵入した敵が次々と高い防壁を突破しなければならず、最後までたどり着くことが難しくなります。この防御システムは、城をより強固にする工夫の一つです。
まとめ
今回のランキングでは、他にも高さを誇る名城が登場しましたが、大阪城はその壮大なスケールと歴史的な意義からも、まさに日本一にふさわしいお城です。
高い城は防衛だけでなく、領主の権威を誇示し、地域の象徴として機能してきました。今回紹介したお城はどれも、歴史的な価値を持つとともに、訪れる人々に圧倒的なスケールを体感させてくれる名所ばかりです。ぜひ、このランキングを参考にして、日本各地の名城を巡ってみてください!
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