鶴ヶ城の屋根はなぜ赤い?雪国の赤瓦と、幕末の姿に戻した理由

白い鶴ヶ城の天守と赤茶色の屋根を雪景色で示す模式図

鶴ヶ城の屋根が赤いのは、会津の寒さや積雪に備えた、鉄分を多く含む釉薬を使う「赤瓦」で葺かれているからです。現在の天守の屋根は、2011年に幕末当時の赤瓦へ葺き替えられました。

白い天守の上に重なる、赤茶色の屋根。ほかのお城の灰色の瓦を思い浮かべると、目を引きますよね。あの色をたどると、雪国で瓦を長持ちさせる工夫と、昔の外観へ近づける修復の二つにつながります。きれいな屋根に、気候と歴史が重なっているんだ!

悩む庶民

屋根が赤いのは、おしゃれに見せるためだと思っていた!

会津の寒さや雪に備えた瓦なんだよ。瓦を使う理由と、いまの天守が赤い屋根になった時期を分けて見てみよう。

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赤瓦には、雪国の寒さに備えた釉薬が使われている

釉薬(ゆうやく)は、瓦などに施すうわぐすりです。鶴ヶ城の赤瓦には、鉄分を多く含む釉薬が使われています。福島県の解説は、この赤瓦を、積雪が多く気温の低い会津の気候でもひび割れないようにした瓦として紹介しています。

鶴ヶ城を管理する会津若松観光ビューローによると、当初は黒瓦が葺かれていました。その後、保科正之の命によって、低温や積雪に耐えられる赤瓦が会津で開発されたと説明されています。瓦の色を見ていたら、雪国の建物を守る工夫まで見えてきました。

ここで大切なのは、赤い色そのものが寒さを防ぐ、と受け取らないこと。注目するのは、釉薬を使った瓦のつくりと、その土地の気候に合わせた選択です。寒さへの備えを知ると、屋根の色が単なる見た目以上の手掛かりになります。

出典:福島県「もっと 知って ふくしま! 鶴ヶ城篇」、会津若松観光ビューロー「鶴ヶ城のご案内」。

いまの赤い屋根は、2011年に幕末の姿へ戻したもの

いま見える天守は、1965年に再建されたものです。その天守の屋根が2011年に赤瓦へ葺き替えられ、幕末当時の外観に近づけられました。建物を再建した年と、屋根を葺き替えた年は別なのです。

つまり、2011年に初めて赤い瓦が考え出されたのではありません。昔の鶴ヶ城に使われていた赤瓦を、現在の建物で再び見られるようにしたのです。古い外観を伝えることと、古い建物そのものが残っていることは別。この違いを押さえると、現在の天守も丁寧に読めます。

赤瓦に施す鉄分を含む釉薬と2011年の赤瓦への葺き替えを左右に分けた模式図
AI生成の模式図。左は寒さ・積雪に備えた釉薬を使う赤瓦、右は2011年に幕末の屋根色へ近づけた葺き替えを示します。瓦の寸法・形状や建物の正確な復元ではありません。

図の左は、昔の会津で赤瓦が求められた気候の話。右は、いまの天守の屋根を2011年に赤瓦へ戻した修復の話です。同じ赤瓦でも、材料を選んだ理由と、現在の姿になった経緯は分けて読めます。

見る時代建物や屋根の履歴
幕末の鶴ヶ城赤瓦の屋根。現在の葺き替えで目指した外観
1965年現在の天守を再建
2011年天守の屋根を赤瓦へ葺き替え、幕末当時の姿に近づけた

出典:鶴ヶ城の沿革、福島県「会津の歴史とローカルフードを満喫する旅」鶴ヶ城の節。

笑う庶民

天守を建て直した年と、屋根を赤瓦に戻した年は違うんだね!

そう。「赤瓦を使った理由」と「今の屋根を赤瓦へ戻した理由」は、違う時代の話として読むと分かりやすいよ。

ほかの城の「白」「黒」とは、色がある場所も材料も違う

鶴ヶ城で今回見ているのは、屋根の赤い瓦です。姫路城の白い漆喰や、松本城の黒漆を塗った板とは、色を生む材料や使われる場所が違います。同じ「お城の色」でも、まず壁なのか、屋根なのかを見ると、理由を混同せずに楽しめます。

壁の材料の違いは、姫路城は白、松本城は黒。その色の正体は?で図解しています。二つの記事を比べると、白い壁と赤い屋根を持つ鶴ヶ城の見方も広がります。

鶴ヶ城を見るときは、屋根の色から気候と時代を読んでみよう

鶴ヶ城の赤瓦には、会津の寒さと積雪に備えた工夫があります。そして、現在の赤い屋根には、2011年に幕末の姿へ近づけたという履歴もあります。

写真や映像で白い天守を見つけたら、次は重なる赤茶色の屋根へ目を向けてみてください。「赤いからきれい」で終わらず、土地に合う瓦を選び、昔の姿を伝えようとしたことまで想像できる。屋根を見る楽しみが一つ増えますね。

天守という建物の名前を先に確かめたい方は、天守とは?現存天守などの種類もどうぞ。城を見る本でも、天守の形だけでなく屋根や壁の材料に注目すると、写真から拾える発見が増えます。

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資料の確認日:2026年10月15日。表紙と本文図は城なび制作のAI生成の模式図です。実景・瓦の寸法・建物の正確な復元を示すものではありません。

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