古くから残っているお城の天守で
一番高いお城ってどこなんだろう?
現在残っているお城の中で、どのお城の天守が一番高いのか疑問に思ったことありませんか?
この記事では、現在残っている天守の高さ(天守台からの高さ)をランキング形式で紹介します!
また、それぞれの天守をぜひ見てみたい!と思えるような魅力もカンタンに紹介するので、ぜひ読んでいただければと思います。
現存12天守とは?
そもそも現存天守とは、江戸時代以前に創建され、現在まで残っている天守(改修含む)のことです。
全国で12基残っており、うち5基は国宝となっています。
ですので、本記事でのランキングは大阪城のような復興した鉄筋コンクリートつくりではなく、
江戸時代(1603~1868年)以前に作られた天守で、現在見られるもの限定となっています!
現存12天守一覧
現存12天守一覧
- 弘前城(青森県弘前市)
- 【国宝】松本城(長野県松本市)
- 丸岡城(福井県坂井市)
- 【国宝】犬山城(愛知県犬山市)
- 【国宝】彦根城(滋賀県彦根市)
- 【世界遺産/国宝】姫路城(兵庫県姫路市)
- 【国宝】松江城(島根県松江市)
- 備中松山城(岡山県高梁市)
- 丸亀城(香川県丸亀市)
- 伊予松山城(愛媛県松山市)
- 宇和島城(愛媛県宇和島市)
- 高知城(高知県高知市)
各場所はコチラです。
また、天守とはお城の中心地にある大きい建造物のことでお城全体のことを指すわけではありません。
天守についての深掘り記事はコチラ!
高さランキング!
ではさっそくですがランキングを発表します!
順位 | お城名 | 高さ |
---|---|---|
1 | 姫路城 | 約31.5m |
2 | 松本城 | 約25m |
3 | 松江城 | 約22.4m |
4 | 伊予松山城 | 約20m |
5 | 高知城 | 約18.6m |
6 | 犬山城 | 約18m |
7 | 宇和島城 | 約15.7m |
8 | 彦根城 | 約15.5m |
9 | 丸亀城 | 約14.5m |
10 | 弘前城 | 約14.4m |
11 | 丸岡城 | 約12.5m |
12 | 備中松山城 | 約11m |
見事一位に輝いたのは世界遺産であり国宝である姫路城です!
迫力といい、知名度ともに納得の結果ですね。
2位には松本城がランクインしています。コチラも知名度が高いものです。
やはりおおきくて迫力がある天守=知名度が高くなるということでしょうか。
姫路城の31mはマンションでいうと10階建て相当のもの。これが江戸時代に作られていたわけです。
最下位は備中松山城ですが、それでも11mはあり、電柱やバスの全長ほどの大きさです。
参考ですが、歴史上で一番高かったのは江戸城天守(約45m)です。
【1位】約31.5m 姫路城
兵庫県姫路市にある姫路城が見事1位に輝きました。
白鷺城とよばれるほどの壁が白く、連立式天守群といういくつもの小さい天守が連なっているのが特徴です。
5重(屋根がある階層)6階地下1階と合わせて7階だてとなっています。
技術が発達した現代でもなかなか30mを越える建築物はそうそうありませんね。
大柱と呼ばれる西と東の2つの5階まで通されている柱だったり、内部を見ると大きな天守を作るための当時の技術がふんだんに使われていることがわかります。
【2位】約25m 松本城
2位は長野県松本市にある、松本城です。
白と黒のコントラストが美しい天守で、コチラも小天守と連なっている複雑な形式です。
5重の天守はここ松本城と姫路城しかないです。
内部には2階ずつ通し柱があり、高い天守を支えているようです。
戦国期に作られた天守と江戸時代に作られた月を見るための月見櫓(右端の部分)が増築されており、月見櫓と繋がっている点で唯一の天守でもあります。
高さだけではなく、建築物としての美しさや天守なのに防備の機能を持ち合わせない月見櫓の鑑賞しがいがあります。
【3位】約22.4m 松江城
3位は島根県松江市にある松江城です。
姫路城や彦根城と同じ年代に作られました。そして、平成27年に国宝入りした天守です。
姫路城や松本城と異なり、小天守が連なったりで複雑ではなく、入り口に付櫓がついた形式となっています。
それでも天守自体の高さは22m超あり、天守ひとつでもとても迫力があります。
よく見ると石落としが張り巡らされており、かなり防御面においても考え抜かれた天守です。
【4位】約20m 伊予松山城
4位は愛媛県松山市にある松山城です。
道後温泉で有名な街にあり、とても厳重な天守です。
写真の通り、櫓や小天守が渡り櫓でつながっており、とても複雑で天守群だけでも25もの建造物があります。
何度か焼失し、1852年と江戸時代でもかなり後期に再建されたものです。
標高130mの山頂にあるので、天守からは市内を一望できるほどの高さです。
【5位】約18.6m 高知城
続いて5位は高知県高知市にある高知城です。
4重6階と外観に対して階数が多く、破風と呼ばれる三角の屋根がとても印象的な天守です。
また、安土城など豪華絢爛な天守に見られる廻縁高欄(ベランダ)があり、より美しさを引き立てています。
一度は大火で焼失し再建されたものですが、1603年に最初に建てられたときのものを踏襲していると言われています。
懐徳館と呼ばれる城主との対面場所であった本丸御殿も現存しており、本丸御殿と天守が現存しているのはここ高知城のみです。
【6位】約18m 犬山城
6位は愛知県犬山市にある犬山城です。国宝にもなっています。
5位の高知城とは60cmの僅差ですね。
特に注目して欲しいのが、廻縁高欄(ベランダ)にある窓(ただの飾り)とその下にある、上部がカーブしている屋根です。
窓は開閉しない飾り窓で、カーブしている屋根は唐破風と呼ばれ、古来から神社仏閣などで用いられている格式高いものです。
つまり、防衛面だけでなく、デザイン性や気品についてこだわった天守と思います。
現在風に言うと匠の技が光るデザイナーズ天守でしょうか。
こういった細部に用いられている技術をよく観察することで、どういった意図で天守が建てられているかが見えてきて面白いです。
【7位】約15.7m 宇和島城
7位は愛媛県宇和島市にある宇和島城です。
まるで姫路城の一部を切り取ったような白塗りが綺麗です。
松江城などと異なり、玄関が開けていたり、石落としがないなど防衛拠点としての機能は比較的薄いです。
内部も武者隠しのような最後まで天守で戦うような機能が少なく、現存天守唯一の障子戸があったりと他の天守と印象が異なります。
これは現在の宇和島城天守が作られたのが、1666年と平和な時代というもの関係あると思います。
【8位】約15.5m 彦根城
8位は滋賀県彦根市にある彦根城です。コチラ国宝です。
一言、カッコいいに尽きますね。
カッコよさを引き出しているのは、屋根(破風)と窓(花頭窓)の数と金具の装飾です。
それぞれが高さの割に他の天守と比べて多く、かなり趣向を凝らしたものと見て取れます。
徳川家の重臣であり、関ケ原や大坂の陣で活躍した井伊家ならではの武闘派の力強さも感じます。
【9位】約14.5m 丸亀城
9位は香川県丸亀市にある丸亀城です。
日本一の石垣の高さを誇るお城なのでつい天守の印象が薄くなりがちですが、立派な天守があります。
お気づきかもしれませんが、7位の宇和島城とよく似た形です。
これには理由があり、お城の中に置く櫓(物見や武器)のなかで三重三階の櫓が最も格式高く、天守の代わりとしても用いられていました。
そして層塔型と呼ばれる、大きさに規則性のある階を積み上げる形式で作りやすいと言われています。
要はコスパの良い天守として三重三階の層塔型が用いられたので、他の天守と似たような形になってしまっていると思います。
【10位】約14.4m 弘前城
10位は青森県弘前市にある弘前城です。東北で唯一の現存天守です。
実はこの天守は2代目で、初代は落雷で焼失しましたが、5重(松本城と同じ規模)であったと推測されています。
正直、天守と言う割に小さい印象を受ける方も多いと思います。
それは元々本丸内にあった櫓を改築して天守として利用したためです。
そのため、江戸城や名古屋城に現存する櫓よりも低くなっています。
ただ、写真の通り桜が城内に咲き誇っているので、ぜひとも桜と一緒に楽しみたいですね。
【11位】約12.5m 丸岡城
11位は福井県丸岡市にある丸岡城です。
ど迫力の天守ではないですが、石落としや狭間など防衛拠点としての役割はきちんとあります。
他の天守で度々出てきていた廻縁高欄(ベランダ)には出ることができない飾りです。
また、天守内日本一の傾斜角と言われる約65度の階段があったり、ここでしかない石で作られた瓦と個性的な面があります。
【12位】約11m 備中松山城
現存12天守で最も低いものが岡山県高梁市にある備中松山城です。
ただ、天守台の高さも相まって充分な迫力があります。
そして天守自体はこじんまりとしていますが、標高430mにある山城で、標高まで合わせると圧倒的1位です。
外観を見ての通り2重2階で籠城の際の城主のための部屋や囲炉裏の部屋があります。
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まとめ
最も高い現存天守は31mの姫路城!
- 高いだけではなく、天守にはそれぞれ個性が!
- 姫路城など高層な天守には、大柱など技術が詰まっている!
- 最下位でも11mはあり、基本的には高く作られるものである!